会長挨拶

会長

第67回日本甲状腺学会学術集会
会長 荒田 尚子
国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター母性内科

このたび、第67回日本甲状腺学会学術集会を2024年10月3日(木)~5日(土)にパシフィコ横浜 ノース(神奈川県横浜市)で開催させていただきます。諸先輩方の築かれた日本の甲状腺学を牽引する本学会学術集会開催にあたって、浅学な身ではございますが力の限りを尽くす決意でおります。

本学術集会のテーマは「想いを紡ぐ」とさせていただきました。これは、導いてくださった先達の先生方、共に歩んだ同輩、そしてこれから日本の甲状腺学をさらに発展させる後進の皆様の想いを縦に紡ぎ、甲状腺疾患を患う皆様、甲状腺に携わる多種の医師、メディカルスタッフ、研究者の皆様の想いを横に紡ぐことで、私の甲状腺学への想いの集大成とするためにこのテーマを選ばせていただきました。

もともと甲状腺疾患は女性に多い病気であり、特に妊娠の問題を避けて通ることはできません。妊娠可能年齢のバセドウ病や潜在性甲状腺機能低下症の診療に関する議論はまだまだ続いております。また、バセドウ病眼症への新薬の登場、甲状腺乳頭癌のアクティブサーベイランス、そしてAIの登場、甲状腺に関する基礎研究に関してなど課題は多々あります。これらの点を、早急に整理して日本から情報を世界に発信していくことは非常に重要なことであると考えています。
2020年から3年間続いた新型コロナウイルスパンデミックは世界中の様々の活動に大きな影響を与え、学術集会のあり方も問われる時代となりました。第67回はアフタコロナ時代の新しい学術集会の形となりますが、現地開催をメインに、フェイス to フェイスの学会とし皆様の想いを紡ぐことができたらと思います。日本甲状腺学会学術集会は、甲状腺の診療・研究・教育に関わる、多方面の医師、基礎研究者、メディカルスタッフ、学生等の多様な皆様が1年に1回切磋琢磨する貴重な機会です。できる限り、発表者、参加者ともに活発に情報のみならず想いを共有・交換し繋がることができるようにしたいと思います。

第67回日本甲状腺学会学術集会