第28回 日本在宅血液透析学会(The 28th Annual Meeting of Japanese Society for Home Hemodialysis)

大会長挨拶

会長

第28回日本在宅血液透析学会

大会長原 正樹
医療法人社団東京透析フロンティア 理事長

この度、2026年9月26日(土)・27日(日)に東京都千代田区・一橋講堂にて、第28回日本在宅血液透析学会を開催いたします。ご参加くださる皆様に、心より御礼申し上げます。
本学会はこれまで、Innovation、Sustainable、継承という視点から在宅血液透析の発展を議論してまいりました。こうした歩みを踏まえ、今あらためて日本における在宅血液透析の現在地を見つめ直すことが求められているのではないでしょうか。

「なぜ、日本における在宅血液透析は広がらないのか。」
1968年の開始から半世紀以上が経過した現在も、患者数は透析患者全体の約0.2%にとどまっています。この数字は、日本における在宅血液透析の位置づけを象徴しているとも言えます。欧米で一定の存在感を確立している状況を踏まえると、この差は単なる技術の問題ではありません。医療の重心をどこに置くかという思想と構造の違いが背景にあると考えられます。
普及を阻む要因としては、制度設計や診療報酬体系の課題に加え、施設透析網が高度に整備されアクセスが容易であるという日本特有の医療環境が挙げられます。また、適切な訓練を提供できる施設の限界や在宅血液透析に対する認知の低さ、さらに腹膜透析が在宅透析の中心的選択肢として位置づけられてきた歴史的背景も影響しています。

しかし本来、腎代替療法はモダリティ間の競合ではなく、患者の生活を起点に統合的に設計されるべき体系です。在宅血液透析は単なる治療法ではありません。医療と生活、施設と家庭、制度と現場を結び直す結節点-それが本大会のテーマである Nexus of Home Dialysis です。
透析医療の持続可能性が問われる今こそ、在宅血液透析を腎代替療法の重要な選択肢として再定義し、その位置づけを結び直す局面にあると考えています。本学会がその議論を深め、日本における在宅血液透析の新たな転換点となることを期待しております。