大会長挨拶

第23回日本摂食障害学会学術集会 大会長 安藤哲也

第23回日本摂食障害学会学術集会
大会長 安藤 哲也
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所行動医学研究部 ストレス研究室長
摂食障害治療支援センター設置運営事業・摂食障害全国基幹センター長併任

第23回日本摂食障害学会学術集会の会長を務めさせていただきます。

日本摂食障害学会は、1997年に日本摂食障害研究会として発足し23年が経過しました。しかし、現在に至るまでわが国の摂食障害医療では、患者やその家族などの当事者に十分な治療や支援を提供できているとはいえません。

摂食障害は食行動の異常を特徴とする心の病気で、有病率が高く、しばしば重篤化・慢性化し、回復しなければ、心理社会的機能や心身の健康へ深刻なダメージを及ぼします。精神科併存症や身体合併症も多い疾患です。わが国では、1980年代から1990年代にかけて患者数が急増し、大きな社会問題となっています。

摂食障害の予防や早期発見、治療・支援には、精神科、心療内科、小児科、内科、産婦人科など多くの診療科・多職種の連携と協力が欠かせません。実態や病態解明、治療法の開発には学際的な研究が求められます。摂食障害は世界的にも重要な問題と認識され、研究論文数も飛躍的に伸び、治療支援体制や予防・早期発見・介入体制づくりに取り組まれている活発な分野です。しかし、わが国では研究・教育・医療の対策が遅れており、治療施設や治療者の不足が社会問題化しています。つまり、摂食障害医療には膨大な、充たされていない医療ニーズ(アンメットニーズ)が存在しています。

そこで、今大会では摂食障害のアンメットニーズにどう応えていくかをメインテーマに据えています。行政関係者と医療関係者、当事者と家族の支援者が参加したシンポジウムや、摂食障害に特化した認知行動療法であるCBT-E(enhanced-CBT)の開発者の一人、Zafra Cooper 教授による招聘講演と関連企画を予定しております。さらに、摂食障害との関連が注目されているトラウマや依存症について、各専門家による特別講演を企画しております。その他、基礎から臨床、身体的側面から心理・社会的、倫理的側面まで、医学、心理、看護、保健、福祉、教育、行政の分野まで、幅広いテーマで学際的な、多職種からの企画や演題を募集したいと思います。

本学会の学術集会にはこれまで医師、看護師、栄養士、臨床心理士、社会保健福祉士、保健師、作業療法士、養護教諭、当事者と家族の支援者、基礎、臨床、疫学の研究者、行政関係者、教育関係者など様々な職種、領域、立場の方に参加いただいています。

摂食障害に関心のある多くの領域、多職種の方の参加をこころよりお待ちしております。